ジャイアントモアGiant moa

1445年絶滅
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かの有名なニュージーランドの飛べない鳥
ジャイアントモアがLOST ZOO にやってきた!

ジャイアントモアほど有名な鳥はあまりいない。この9 種(3 科6 属)のニュージーランドの鳥はダチョウと似ているが、ダチョウ、レア、エミュー、ヒクイドリ、キーウィにはある、退化した翼の名残すら持たない唯一の鳥である。ほとんどのモアは七面鳥ほどの大きさで体長は首を伸ばした状態で67-150㎝、体重は30-75㎏といったところだった。しかし、この範囲を大きく上回る本当の意味で巨大な2 種のジャイアントモア、すなわち南島に生息するサウスアイランドジャイアントモア(Dinornis robustus)と北島に生息するノースアイランドジャイアントモア(Dinornis novaezealandiae)がいた。体長は首を伸ばした状態で3.6m、体重は230㎏もあった。インパクトのあるその大きさと姿を見せるため、博物館展示では立った状態で骨格が組み立てられることが多い。しかし、骨格や頭の解析によって、モアはキーウィのように頭を前に突き出して歩き、長い首は高いところにある葉を採食するためのみに使われたと分かっている。

ジャイアントモアの骨格標本 19世紀にフロホークが描いたジャイアントモアの博物画

ジャイアントモアの骨格標本
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19世紀にフロホークが描いたジャイアントモアの博物画
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モアはニュージーランドの森林、低木地、亜高山地において最も大きく、かつ優位な草食動物だった。ちなみにニュージーランド本島の南北両方に生息していたのはヒロハシモア(Euryapteryx curtus)とヤブモア(Anomalopteryx didiformis)のみである。ノースアイランドジャイアントモアとヤブモアは北島の南島に似た雨の多い森林地で優勢である。北島のそれ以外の種はもっと乾燥した森林や低木地を好んでいた。ヒロハシモアは北島の南半分の海岸に生息していた

ヤマモアの足標本 1911年に発見されたジャイアントモアのあしあと

ヤマモアの足標本
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1911年に発見されたジャイアントモアのあしあと
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南島は大きく分けて2 つの動物相があり、ヤブモアやサウスアイランドジャイアントモアは雨の多い西海岸のブナ森林を好み、オオアシモア(Pachyornis elephantopus)、コビトモア(Emeus crassus)、ヒロハシモア、サウスアイランドジャイアントモアは南ニュージーランドアルプス以東の乾燥した雨陰森林や低木地を好む。他の2 種のモアである、ヤマモア(Pachyornis australis)とモリモア(Megalapteryx didinus)は南島全体で優勢なサウスアイランドジャイアントモアとともに亜高山地帯に生息している。

ハーストイーグル(ハルパゴル
ニスワシ)に襲われるモアの図 ニュージーランドの切手にデザインされたジャイアントモア

ハーストイーグル(ハルパゴルニスワシ)に襲われるモアの図
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ニュージーランドの切手にデザインされたジャイアントモア
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モアは多くの木や低木の植物種の葉や枝を食べていた。オオアシモアの嘴は園芸鋏のような形をしていて、繊維質な葉や直径8㎜程の枝を噛切ることができた。多くの鳥と同じくモアは石を胃石として飲み込み、筋肉質の砂肝と組み合わさって硬い植物質をすり潰す。ほとんどは滑らかな石英の小石だったが、10㎝を超えるサイズの石も見つかっている。ジャイアントモアの砂肝からは数㎏の胃石がよく見つかる。

4種のモアと、人間、そしてその他の飛べない鳥たちとのからだの大きさ比較 たまごの大きさ比較(左からジャイアントモア、ダチョウ、ニワトリ)

4種のモアと、人間、そしてその他の飛べない鳥たちとのからだの大きさ比較
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たまごの大きさ比較(左からジャイアントモア、ダチョウ、ニワトリ)
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マオリ族が1280年辺りにニュージーランドにたどり着くまではモアが最も大きな草食動物であり、天敵はハーストイーグル(Harpagornis moorei)のみだった。しかし、新たな侵略者はすぐに密な森林を伐採し、動きが鈍く、そして飛べないモアを食料として狩った。この乱獲や環境破壊が原因になり、モアはすぐに絶滅してしまった。1445 年にはすべてのモアが絶滅してしまい、モアを餌としていたハーストイーグルも絶滅した。一部の生物学者はモリモアが孤立した地域で18 世紀後半頃や1887 年まで生き残ったという説を挙げている。しかし、それ以降にモアが目撃されたという報告はなく、何よりあれほど大きな鳥がこれほど長い間目撃されていないとは考えにくい。

LOST ZOOジャイアントモアの放飼場風景

LOST ZOOジャイアントモアの放飼場風景
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我がLOSTZOO でジャイアントモアのペアを展示できることをとてもうれしく、同時に誇らしく思う。オークランドアイサの近くの放牧場で見ることができる。この鳥を観察する中で最も驚くべき部分は極端な性的二形である。メスのジャイアントモアはオスと比べて150%大きく、280%重い。この大きな差の為、メスとオスは2003 年まで別の種として誤って分類されていた。当園でもいつか繁殖ができることを願っている。卵は白く高さ24㎝ 幅18㎝。体積は4.3㎝ ³でダチョウのものよりも大きく、ニワトリの卵の90 倍もある。大きさの代わりに卵の殻はとても薄いため、鳥類では最も割れやすい卵でもある。

LOST ZOOキュレーター ユルゲン・ランゲ

ジャイアントモア
  • ニュージーランドの南北の島に1種ずつ生息していた、ダチョウに似ているが羽の名残がまったくない唯一の飛べない鳥類。他のモアはシチメンチョウ程の大きさだったが、ジャイアントモアはとても大きかった。
  • 全長:3.6m
  • 体重:230㎏
  • 巣:柔らかく乾いた土を掻き出し、その中に植物の繊維や枝の土台を作った。
  • 卵:長さ40㎝、重さ4.5㎏
  • 生息域: 南島のサウスアイランドジャイアントモアは乾燥した雨陰森林や低木地と雨の多い西海岸のブナ森林を好み、北島のノースアイランドジャイアントモアは雨の多い森林地を好んだ。
  • 絶滅:1445年、マオリ族が踏み入ってから100年の間に乱獲や環境破壊によって9種すべて絶滅
展示どうぶつ
ジャイアントモア